alacantonade

精神分析と映画をめぐる読書案内

2016-01-01から1年間の記事一覧

古代史劇映画の誘惑

このほど Dictionnaire du western を著わしたクロード・アズィザは、ほんらい古代史劇(“ペプロム”)のオーソリティとして知られていて、この分野の著作として、前号でも言及した『想像の中の古代世界案内:小説、映画、コミックス』(Guide de l’Antiquité…

西部小説の復権のために

2015年のフランス出版界が西部劇の当たり年であったと前号に書いたけれども、重要な言い落としがあったので補足しておきたい。 「ポジティフ」編集長ミシェル・シマンがパーソナリティを務める Projection privée という France Culture のラジオ番組があっ…

フランスで刊行された二冊の西部劇事典

*Patrick Brion : Encyclopédie du western 1903-2014, Télémaque, 2015. Claude Aziza et Jean-Marie Tixier : Dictionnaire du western, Vendémaire, 2015. 昨年のフランスの出版界は、西部劇のちょっとした当たり年であったといえる。一昨年、タッグ・ギ…

セルジュ・ダネー評論集 La maison cinéma et le monde を読む(その15)

* Serge DANEY : La maison cinéma et le monde, tome 1. Le temps des Cahiers 1962-1981, P.O.L., 2001. 昨秋、Traffic 時代(1991-1992年)の文章を集めた第4巻(さいしょの3巻とはちがってずいぶんと薄い)が刊行され、めでたく完結をみた著作集をひ…