alacantonade

精神分析と映画をめぐる読書案内

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『明晰な作品』:ジャン=クロード・ミルネールのラカン論(了)

*Jean-Claude MILNER : L'Œuvre claire, Seuil, 1995. 承前。『アンコール』におけるボロメオの結び目の導入の直後、ラカンは「無意識に影響されている個人とシニフィアンの主体とは同一」という「仮説」を提出している。「主体の方程式」においてはその峻…

『明晰な作品』:ジャン=クロード・ミルネールのラカン論(その4)

*Jean-Claude MILNER : L'Œuvre claire ; Lacan, la science, la philosophie, Seuil, 1995. 承前。言語が主体の代理(tenant-lieu)であることは、スターリンもヤコブソンも気づかなかったラカンのオリジナルである。ラカン的な構造主義の意義はここにある…

『明晰な作品』:ジャン=クロード・ミルネールのラカン論(その3)

*Jean-Claude MILNER : L'œuvre claire ; Lacan, la science, la philosophie, Seuil, 1995. 承前。ここでミルネールは一見コイレとは対極に位置するようにおもえるポパーを召喚し、コイレに対峙させる。ある命題は、その否定が単純な観察に論理的に矛盾し…